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氷壁

井上靖氏の作品は、「しろばんば」しか読んだことがなく、
「氷壁」は、タイトルと、映画とかドラマになっていたな…くらいの知識でした。

雪山でのナイロンザイル切断遭難事故は、1955年の正月で、単行本は1957年に発行されています。その前に朝日新聞に連載をしていたそうなので、事故からすぐに書かれたようです。

実際に遭難されたのは、大学生で、そのお兄さんが、その後ナイロンザイルの強度について疑問を持ち、実験や調査をしていたそうです。なかなか業界にも世にも受け入れてもらえないその活動。
それを、井上氏が知って小説にしたそうです。

そのあたりのことは、ウィキペディア「ナイロンザイル事件」で。


氷壁 (新潮文庫)氷壁 (新潮文庫)
(1963/11)
井上 靖

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一番気になっていたのは、「事実」をどんなふうに「小説」にするのか。
大長編でしたが、読みやすかったこともあって早々に読み終わってしまいました。

小説なので、登場人物をはじめ、様々な設定は「事実」とは違い、創作の世界です。
山岳小説であり、恋愛小説であり、社会派小説でもある。ザイルの強度を追究する流れは、ミステリーのようでもあります。
そういう要素を「事実」に織り込んである感じでした。

読み終えて、しばらく考えているうちに、気がついたのは、小説の一番の種になっているのは、「青年は、なぜ命を落としたのか」だということでした。
そこから始めると、いろいろな原因が考えられるのです。
「自殺」「登山の技術的なミス」「ザイルが弱くて切れた」などなど。
その、原因のひとつひとつに、かかわる人物たちがいて、関係性が生まれて、物語になる。

読めば、誰にでもわかることかもしれないのですが、私としては、気付いたことがうれしくて、勉強になりました。

読んでいる間、博物館で見た、実物の岩とそこに固定されて先がちぎれたザイルが、ずっと頭の中に鮮やかにありました。なので、あくまでも小説ですが、不思議な感じがしました。



☆「夏の思い出 その1」に拍手をありがとうございます☆
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ちょいな人々

文庫版の表紙、かわいいけれど、児童書ではありません^^。
今の私は、読みやすく、面白い、笑える、でもジーンとくる。
そういう本を読みたいので、また荻原浩氏を選びました。短編集です。



人間は、ときにその情熱を、見当違いなものに傾ける。
ブームに踊らされる愛すべき人々のオンパレード! (帯より)

ちょいな人々 (文春文庫)ちょいな人々 (文春文庫)
(2011/07/08)
荻原 浩

商品詳細を見る


各作品の人物録 ☆突然のカジュアル フライデーに翻弄されるサラリーマン  ☆ガーデニングにハマり、隣の老人とトラブル主婦 ☆当たらないのに、うっかり流行ってしまった三流占い師  ☆「100%解決します」いじめ電話相談室の相談員
☆もし、ペットの心の声が聞こえたら? と思う飼い主  ☆ホンネじゃないメールのやり取りに疲れた女子高生 ☆義理の父(予定)が巨人ファンだった筋金入りの阪神ファン    (帯より)

ブームに翻弄される人たちを見つめる、作者のまなざしが優しい。
だから、たとえトラブっていても、騙していても、どの人物も憎めない。
読んでいて、心地いい。解説にもあったけど、読み終わるのがもったいない本でした♪



☆「グリーンフィンガーズになれるかな?」 に拍手をありがとうございます☆
   
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(^_-)-☆

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